鹿児島大学病院 COVID-19感染患者への対応マニュアル

(外部版)2022/4

 

. 感染症入院患者への対応

(1) 搬送の際は、患者にはサージカルマスクを着用し、患者の移動は病室外での検査が必要な場合など最小限とする。

(2) 担当する医療スタッフは個人防護具着脱訓練を受けたもの、個人防護具着脱方法・動画・自己チェックリストで学習したものに限定する。

(3) 原因がはっきりしない肺炎患者(新型コロナウイルス感染症が疑われる患者)で経路別予防策を実施するべき患者は個室を利用する。

 

テキスト

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2.患者病室や診療エリアにおける清掃・リネン類の管理・食器・物品・書類の取り扱い

(1) 病室の日常清掃は委託業者が請け負わないため、病棟スタッフで施行する。

【日常清掃】

@ 床:乾式清拭後、湿式清掃

A 洗面台:中性洗剤で洗浄

B トイレ:次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)またはアルコール(70%)で清拭

C 浴室:中性洗剤で洗浄(2日おき)

D その他、高頻度接触表面は通常の環境整備に基づいて次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)またはアルコール(70%)で清拭消毒する。

(2) 感染性廃棄物は段ボールの外側を次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)またはアルコール(70%)で清拭した後に持ち出す。

(3) 患者退室後はターミナルクリーニングを実施する。

(4) リネン類の管理

@        リネンは週1回、または汚染時・退室時に廃棄する。

A        病衣・病棟物品は洗濯を依頼する。(業者で対応しない場合あり)

B        同一品目ごとに水溶性バックに入れ密封し、ビニール袋に入れて回収を依頼する。

C        院内のコインランドリーは、場所を共有するリスクから使しないことが望ましい。

(5) 食器の取扱

患者の食器はディスポーザブル製品とし、使用後は病棟で感染性廃棄物として廃棄する。

(6) 物品・書類の管理・消毒

@     病室・診療エリアで使用した物品は、アルコール(70%)または次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)で清拭消毒する。いずれも使用できないものは、界面活性剤等で物理的に汚染を拭き取るように清拭消毒する。消毒方法が取り決められている機器等に関しては、その方法に従う。

A     清拭消毒できない物品が病室・診療エリアにあった場合、または持ち込んだ場合は、ビニール袋などに入れて72時間密封保管する。

B     書類は、清拭消毒できないためクリアファイルに入れて運用する。病室・診療エリアで、書類をクリアファイルから取り出した場合は、使用後クリアファイルに戻し、72時間保管する。クリアファイルを清潔エリアに出すときは外側を清拭消毒する。

C     病室・診療エリア内の棚内に保管されている物品は、扉を閉めて汚染を防ぎ、扉がない棚で保管されている物品は養生する。飛沫・接触により汚染した可能性がある場合は(1)に準じて清拭消毒する。

 

. 感染症患者の院内搬送

【移動】

(1)     動線の確保

病棟から各部署へ移動する場合、他者との接触を最小限に抑えるため人払いを行う。人払い担当職員が先導し、通路の職員・患者が搬送患者と接触しないよう配慮する。

気管内挿管患者はバクテリアフィルターを使用し、それ以外の患者はサージカルマスクを装着し、使用後の換気は不要とする。

(2) 個人防護具

@ 患者対応スタッフ:ガウン・サージカルマスク・ソフトキャップ・フェイスシールド・手袋

A 先導スタッフ:サージカルマスク

B 清掃スタッフ:サージカルマスク、半袖エプロン、手袋

(3) 清掃

患者に接するスタッフ以外にスタッフが同行し、清掃を行う。清掃する場所は移動中に患者や搬送する職員が接した部分とする。清掃担当スタッフはサージカルマスク、半袖エプロン、手袋を着用する。清掃担当スタッフは患者に接触しないで同行する。

 

. 感染症患者の手術部内への対応

@     手術は、可能な限り陰圧管理が可能な手術室で手術を行う。

A     手術室内のスタッフは最少人数とし、手術室への出入りは最小限にする。

B     手術を担当する診療科医師、麻酔科医、および看護師は、サージカルマスク(用手換気、気管挿管、気管支鏡検査や頭頸部・呼吸器領域手術・気管切開実施などエアロゾルが生じる処置を実施する際はN95マスク)、フェイスシールド、キャップ、長袖ガウン、手袋を着用する。

C     担当医師は、特に頭頸部・呼吸器領域手術において、ドリル・電気メス等の使用でエアロゾルが発生する可能性があるため、リスクを最小限にするよう努力し、手術時間の短縮を図る。

D     エアロゾルに曝露される機会は最小限にする(麻酔導入・覚醒の際、手術担当医は入室しない)。

E     できる範囲内でディスポーザブルの器材を使用する。

F     人工呼吸を行う際は、通常の人工鼻に加え、閉鎖式吸引カテーテル、麻酔器の吸気側と呼気側のバクテリアフィルターを呼吸回路に用いる。

G     マスク以外の着用した防護具は手術室(陰圧室)を出る前に、マスクは手術室を出た後廃棄し、適切な手指消毒を実施する。

H     患者退室後120分以上の換気によるエアロゾル除去後、委託業者に依頼し次亜塩素酸ナトリウムを用いたターミナルクリーニングを実施する。

I     医療機器は手術部スタッフが消毒用クロスにより拭き上げを行う。

 

. 感染症患者の放射線検査

(1) X線撮影はポータブル撮影を原則とする。

(2) CTは午前または午後の最後に使用し、CT室は使用後装置をアルコールクロス消毒剤で清拭し、1時間適切かつ十分な換気を行う。

 

.  感染症患者への医療機器、人工呼吸器使用について

(1)   新型コロナウイルス感染患者にME機器(輸液・シリンジポンプ、人工呼吸器、体外式膜型人工肺等)を使用した場合は、使用後に必ず機種に応じた清拭消毒を行う。

(2) 人工呼吸器管理について

・基本は人工鼻用回路を使用する。

・吸気フィルター、呼気フィルターを使用する。

・人工鼻は3日に1回閉鎖式吸引チューブと同時に交換し、吸気フィルター、呼気フィルターは約1ヵ月(4週間)ごとの回路交換時にすべて同時に行う。(※人工鼻が汚染・閉塞した場合は速やかに交換する)

BiPAPNHFは原則使用しない。しかし、やむを得ず使用する際は、NHFではカニューレの上からサージカルマスク装着する。BiPAPは閉鎖式(NIVなど)を使用し、原則陰圧個室で管理する。

・バックバルブマスク使用時は、必ず人工鼻を装着する。

 

. 亡くなられた場合の対

(1) ご遺体は非透過性納体袋に収容し、移送前に袋を閉じて、袋の表面を次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)またはアルコール(70%で消毒する。

(2) ご遺族がご遺体に面会する場合、密封され表面が消毒された納体袋に触れる際は特別な感染対策は不要だが、ご遺体の顔や手に触れることを希望された場合は手袋・サージカルマスク・長袖ガウンを着用してもらい、終ったら適切に脱いで手指消毒を実施してもらう。


 

鹿児島大学病院 職員のCOVID-19対応マニュアル

(外部版)2022/4

 

. 職員が感染した場合の対応(PCR検査を受ける場合も含む)

(1) 職員が帰国者・接触者外来を受診する、または新型コロナウイルスPCR検査を受けることになったら、すぐにリスクマネージャーに連絡する。

(2) リスクマネージャーはICTおよび労務管理担当者に連絡し、労務管理担当者は対策本部長に報告する。

(3) リスクマネージャーは、発症前後の勤務状況を調べ、ICTへ報告する。また、発症2日前から接触した入院患者と接触した職員・実習生をリストアップし、発熱・呼吸器症状を有する者がいないか確認する。またそれ以外の部署職員や、部署が担当する入院患者に発熱・呼吸器症状を有する者がいないか確認の上、感染制御部へ報告する。濃厚接触者および症状がある職員はただちに勤務を中止させる。

(4) リスクマネージャーは病棟・外来師長などとも協力しその職員が触れた場所を、アルコール環境クロスで清拭・消毒するよう指示する。

 

【検査が陰性の場合】

(1) 保健所と協議し、再検査が行われる場合は、その結果を待つ。

(2) 接触した入院患者・職員の健康観察は継続する。

 

【検査が陽性の場合】

(1) ICTはリストに基づき、保健所と職員・患者への対応について協議する。マニュアルに基づき、保健所の判断による濃厚接触者とリストに挙がったが濃厚接触に該当しないとされた者の対応を行う。

(2) 濃厚接触者が在室・在籍する病棟は閉鎖を行う。

(3) 接触した入院患者は14日間隔離する。

(4) 同病棟の閉鎖は、保健所とも協議し最終発症者が確認されてから14日間は継続する。

(5) 保健所と協議の上、濃厚接触と考えられる職員は14日間の自宅待機とする。

(6) 接触した入院患者または職員に発熱や呼吸器症状がみられた場合は、保健所と相談の上PCR検査を検討する。

(7) 対策検討会議および対策本部会議を開催し、方針や外部への広報を協議する。

 

. 医療従事者(職員・従業者)の感染患者接触時の曝露リスク評価と対応

(1) 当院の入院・外来患者、職員等に陽性例が判明した場合の対応

@ 所属部署のリスクマネージャーは感染制御部へ連絡する。リスクマネージャーは同室者・濃厚接触者のリストを作成する。

A また職員の家族等に発症者がいた場合、職員が保健所の積極的疫学調査で濃厚接触者と判断された場合も、リスクマネージャーは感染制御部へ連絡する。

 

  濃厚接触者の定義

    患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者

  適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者

  患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者

・ 手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況周辺の環境や接触の状況 等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。

 

  患者(確定例)の感染可能期間

・ 発熱及び咳・呼吸困難などの急性の呼吸器症状を含めた新型コロナウイルス感染症を疑う症状(以下参照)を呈した 2日前から隔離開始までの間

*発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐など

 

(2) 就業制限

      15分以上感染患者に接触した医療従事者は、以下の場合曝露リスクありとして就業制限を行う。

@ 患者がマスクをしている場合:

・ 医療従事者がサージカルマスクまたはN95マスクを使用していない場合

・ 体位変換などの広範囲の身体的接触があり、マスクに加えガウン・手袋が未装着だった場合

A  患者がマスクをしていない場合:

・医療従事者がサージカルマスクまたはN95マスクを使用していない場合

・エアロゾルを生じる処置をした際マスクの装着有無に関わらず眼の保護がない場合

・エアロゾルを生じる処置時病室にいてマスクの装着有無に関わらず眼の保護がない場合

 


 

表 医療従事者の曝露のリスク評価と対応

 

1 記載されているPPE 以外のPPE は着用していたと考える。例えば「眼の防護なし」とある場合は、それ以外の推奨されるPPE(マスク、手袋、ガウン)は着用していたと考える。

2 15分以上の接触時間を曝露リスクとする。ただし短時間でも感染リスクが発生する可能性もあり、時間および患者と医療従事者が大量のエアロゾルを生じる処置を実施した場合やこれらの処置を実施中の病室内に滞在した場合は中リスクと判断する。